鼻甲介(ヒト)
A 多列線毛上皮
B 鼻腺
C 静脈叢
D 骨
この標本は呼吸器の鼻甲介(恐らく下鼻甲介 inferior conchae )である。上皮は多列線毛上皮 psuedostratified ciliated columnar epithelium で goblet cells も含む。上皮直下に接して細胞数の極めて少ない、あるいはほとんどない明調な層がみえるが、これは基底膜 basement membrane である。粘膜固有層には多数の lymphocytes, plasma cells, 鼻腺 nasal glands とこの導管、それに比較的発達した鼻甲介静脈叢 venous plexuses(多数の赤血球が入っている)がみられる。粘膜下組織はなく固有層が直接骨膜 periosteum に結合している。 Nasal glands は混合腺で部位によってはその終末部の大部分が漿液細胞からなっているところや比較的粘液細胞の多いところなどがみられる。多くの粘液細胞からなる終末部の末端には漿液細胞群(半月 demilune)がよくみられる。