十二指腸 duodenum(ヒト)

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十二指腸腺が粘膜固有層内と粘膜下組織内とに存在する。粘膜筋板は内輪層が発達し外縦層は散在性に見られる。また、粘膜筋板を構成する平滑筋線維の1部が lamina propria の中にまで侵入している。粘膜下組織内には Meissner's plexus がある。 絨毛内には毛細血管網が発達しているのを観察するために、イヌ小腸の標本(各23)をみるとよい。

この標本は墨汁を動脈より注入して後に固定した小腸の横断で、種々の走行を呈す黒い線状および棒状のところが血管である。イヌ小腸も基本構築はヒトのものと変わらないが、粘膜筋板はヒトのものよりかなりよく発達し、内輪層と外縦層の2層は明瞭である。また、粘膜下神経叢(Meissner's plexus)には ganglion cell(nerve cells)がかなり多く10数個集団をなすものもあるのでヒ卜の十二指腸標本で Meissner's plexusを充分観察できなかった人はこの標本をよく見ておくとよい。

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