頸動脈小体carotid body

A シュワン細胞の核
B パラガングリオン

頸動脈小体は総頸動脈が内・外頸動脈に分岐する部にはさまれて存在する。頸動脈小体は一般的なパラガングリオンの構造を持っている(パラガングリオンとはクロム親和反応を示す上皮様細胞の小集団で、豊富な自立神経支配を受けているものである)。パラガングリオンの周囲は比較的厚い結合組織性の皮膜で包まれており、この続きが実質の中にも入り込んでいる。実質細胞は主細胞と支持細胞の2種類が区別される。個々の主細胞を支持細胞が取り囲み、多数の無髄神経線維が見られる。毛細血管も多く存在する。

頸動脈小体にはいろいろなペプチドが含まれている。特にメチオニン・エンケファリン、ロイシン・エンケファリンが多く、他に、ニューロテンシンやボンベシンがある。また、アミンとしてはアドレナリン、ノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンなど含まれている。

頸動脈小体は化学受容器として働き、動脈血の酵素や二酸化炭素分圧、pH などを感知する。急性の低酸素血症が起こると呼吸運動を介して呼吸を促進し、酸素分圧を上昇させる。 老人の頸動脈小体ではリンパ球の浸潤や線維化が見られる。

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