緻密骨(ヒト中手骨)

A 骨単位(ハヴァース系)
B 介在層板
C ハヴァース管
D 骨層板
E 接合線
F 骨小腔

緻密骨には血管を通すために2つの管系統が発達していて、1つは骨の長軸に平行なハヴァース管で、もう1つは垂直なフォルクマン管である。この標本では骨を横断しているため、ハヴァース管の断面が見える。ハヴァース管は、毛細血管や細動静脈を通し、ごく緩い結合組織でみたされている。この管を芯にして骨層板が同心円状に取り巻き円柱をつくっている。ハヴァース管とその周囲を取り囲む骨層板と骨小腔内の骨細胞をあわせて骨単位(オステオン)またはハヴァース系と呼ぶ。ハヴァース系の間に挟まれて、ハヴァース系を持たない不完全な層板系が見られ、これは介在層板と呼ばれる。骨吸収の過程で残った層板系の断片が、新生したハヴァース系の間に介在しているものである。ハヴァース系の境界線には光を強く屈折する基質層があり、接合線と呼ばれる。骨細胞は骨小腔のなかにあり、骨細管と呼ばれる小管内に長い突起を出し、相互に連絡をしている。

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