骨発生(ヒト胎児手指)
A 軟骨補充帯(予備軟骨帯)
B 軟骨細胞増殖帯
C 軟骨細胞成熟帯(肥大軟骨細胞帯)
D 軟骨細胞石灰化帯
E 骨化帯
肉眼で標本を見て、青っぽい部分が軟骨、それに隣り合った赤白のまだら状の所が新生骨と原始骨髄である。変性しつつある軟骨細胞、石灰化した軟骨基質、新生された骨質、骨芽細胞、破骨細胞、骨基質中に埋まった骨細胞を同定することができる。軟骨補充帯では、未熟な軟骨細胞が豊富な硝子軟骨基質に散在している。軟骨細胞増殖帯では、分裂能を有した扁平な軟骨細胞が連銭状の軟骨細胞柱を形成している。軟骨細胞成熟帯では、軟骨細胞が成熟、肥大し、軟骨小腔も拡大する。軟骨細胞石灰化帯では、さらに軟骨小腔が拡大し、軟骨基質が石灰化をおこす。それに伴い栄養が不足して軟骨細胞が核が濃縮するなど退行性変化をおこして死に至る。骨化帯では、破骨細胞や大食細胞の働きにより死んだ軟骨細胞や石灰化した軟骨基質が除去された腔所に、骨内膜由来の骨芽細胞が骨形成を行っている。